小さい頃、部屋の壁に大きな傘を書いた。
部屋の壁紙一面に、思いっきり大きな傘をクレヨンで描いた。
実験のエネルギー。
ただ、描きたかった。
屋根にも登りたかった。だって、窓からすぐに、屋根に降りれたから。
私の部屋の小窓が、ちょうど胸の高さくらいで、机からよじ登れる。そして、そこから這い出れば、屋根に足を置くことができる。窓から見た屋根は、勾配はあっても平坦で、広く、くつろげそうだった。
実際、外に出てみると、屋根の上を伝って、家を一周できる。最高の気分だった。
今でもそこからジャンプして、そしてそのまま飛んでいける夢を見る。
壁紙に描いたクレヨン傘を、母が見た時、”え、壁に描いちゃったの?”と聞いた。
そして初めて、私はそれが、いけないことなのかな?と思った。
でも、私は2回、傘を描いた。母の言葉の後も、まだ描いた。だって、描きたい衝動に従ったのだ。
そして、母が壁紙を変えてから、私は描かなかった。
実験というと、今そのイメージが目に浮かぶ。
衝動に従って、私は私の自由を探検したい。ただ、それだけ。